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加古川の皆様、そして遠方からも足を運んでくださる皆様へ。
「かこがわ食堂」は、この5月で無事に16周年を迎えることができました。
これもひとえに、皆様の温かいご支援のおかげです。
店主のてっちゃん、
そして店長のみえちゃん。
夫婦二人三脚で歩んだ16年。
楽しいことも
もちろんありましたが、
正直なところ、
苦しい道のりの方が
長かったように思います。
私たちの店づくりは、
ずっと憧れてきた
「にしむら珈琲店」
がモデルでした。
てっちゃんも
みえちゃんも、
あのにしむら珈琲店の
すぐそばで10代を過ごしましたから、そのレトロな雰囲気や、宮水を使ったこだわりのコーヒーが織りなす居心地の良い空間は、まさに理想でした。
でも、都心の老舗と地方の飲食店では、お客様のニーズも街の雰囲気もまったく違う。
数年前のコロナ禍で、私たちは本当に崖っぷちに立たされました。
その時、フランチャイズから抜け出して、自分たちの店を、自分たちの手で作り上げていこうと決意したのです。
その時、ふと思い出したのが、
あの「にしむら珈琲店」の看板に小さく書かれた「神戸っ子の応接間」という言葉。
これだ!と直感しました。
そして、私たちが目指す場所、
「加古川人の応接間」が生まれたのです。
「意味」が「価値」を生み出す物語
「コンセプトは価値の設計図」。
最近読んだ本にそうありました。
判断基準になり、一貫性を与え、そして「対価の理由になる」。
特に心に響いたのは、
「意味は価値に先立つ」
という言葉です。
モナ・リザの物語をご存知でしょうか?
1911年に盗まれ、その後偽物が出回り、ピカソまで巻き込む騒動になったあの絵。
元々はそこまで注目されていなかったモナ・リザが、盗難という劇的な出来事や、その後の様々なストーリーが加わることで、複製品でさえも3億8千万円という高値で落札されるほどの「価値」を持つようになりました。
それは、絵そのものの「意味」が、時を経て幾重にも重なった結果ではないでしょうか。
私たちの「かこがわ食堂」も、
まさにそうありたいと思っています。
憧れの、にしむら珈琲店、戦後の焼け野原から、宮水との出会い、そして離婚を経験しても、従業員との絆を深め歴史を築いた、にしむら珈琲店の創業者川瀬喜代子さんのように、頑張ろうと誓ってます。
自分達もバツイチ同士、
みえちゃんは
てっちゃんより10歳年上の
姉さん女房。
波乱万丈の人生を歩んできた私たちだからこそ、この店にはたくさんの「意味」が詰まっています。
17年目の「加古川人の応接間」へ
正直なところ、
この「加古川人の応接間」
というコンセプトに、
店のすべてが
まだ追いついていないと
感じています。
でも、それでいいんです。
17年目となる今年は、
このコンセプトに
少しずつでも近づけるよう、
小さな改善を積み重ねていこうと誓い合いました。
「いつまでこの仕事を続けられるだろうか?」
最近、私たちの会話の中心は、
もっぱら将来への不安です。
でも、結局たどり着くのは、
ただ一つ。
「仕事を頑張るしかない!」
そして、この場所で長く、
元気に営んでいくためには、
何よりも地域に
愛されるお店でなくてはならないと強く感じています。
だから、ぜひ「かこがわ食堂」にお越しください。
懐かしい風景の中で、
てっちゃんの淹れる
こだわりのコーヒーを
味わいながら、
みえちゃんの
温かい会話で盛り上がる。
他愛ないおしゃべりをして、
心がふっと軽くなる。
そんな「加古川人の応接間」で、あなたの日常に彩りを添えるひとときを過ごしませんか?
皆様のお越しを、
心よりお待ちしております。